刃物の切れ味を最大限に引き出す
「十文字屋の研ぎ」は、研ぎ石一つで短時間で手軽に出来るものではありません。
よって店頭などに出張して包丁研ぎを行なうことはいたしません。
刃物1本1本の材質や品質・状態を見て、その刃物に適した研ぎを施します。
何度も何度も手を入れて刃を研いで調整していきます。
そのため、時間も費用も一般的な『研ぎ屋さん』より多く費やしています。
本数をこなしていかなければならない店頭出張の研ぎには出来ない『丁寧さ』がなければ、小手先だけの研ぎになってしまい、その刃物の切れ味はすぐに落ちていってしまいます。
「十文字屋の研ぎ」は、刃物の切れ味を最大限に引き出す事。
十文字屋が一番にこだわる点です。
他店で研いでもダメだった方へ
一度、他の研ぎ屋さんで研いでいただいたハサミや包丁を拝見すると「単に研いだだけ」の刃物が殆どです。酷いものはハガネがぼろぼろにされてしまっています。研いで切れるようにしてもらっているつもりが、刃物の寿命を縮めてしまっているだけのものもあります。
そのような包丁・はさみも十文字屋にお任せください。
研ぐだけではなく、かみ合わせや反りなどを調整して切れ味を復活させます。
本物を使い続けたい方へ
「十文字屋の研ぎ」は安くありません。他の研ぎ屋さんの値段と比べて高いと思います。それは無意味に高い金額をご提示しているわけではなく、手間と時間をかけた対価を頂戴しているということです。
「刃を研ぐ」だけではなく、反りやネジの調整・柄の修理なども行なっております。
良い刃物を長くお使いいただきたいから・・・刃だけではなく刃物全体の手入れをいたします。
製造元で部品供給が終わっていても、代替部品を自作して使っていただけるようにすることもあります。
アパレルメーカー様、料理職人様、料理やクラフト関係のスクール運営者様だけではなく、個人の方でも「本物の切れ味を使い続けたい」方からのご依頼を数多くいただいております。
研いだ刃物はどうなる?
鋏であれば
閉じただけで切れる
切る時のアタリ(感覚)が最初から最後まで同じに。
包丁であれば
刃をあてて力を強く入れる事なくスライドさせるだけで切れるようになります。
一般的な研ぎ屋さんで研いでもらった場合や、市販の研ぎ器で研いだ場合と比べて、切れ味が落ちません。
よく切れるようになったから刃の負担が軽減され、結果として長く使えるのです。
「購入時より切れるようになりました」とのお声も数多くいただいております。
100円ショップの包丁も切れ味抜群に!
いろいろな物が安く手に入る「100円ショップ」。包丁も販売されています。
実際に使ってみると、切れ味はやはりそれなりです。安いから原料も安いものを使っているからだろう・・・確かにそれもあります。
でも切れ味の良くない最大の原因は「刃先の加工・調整が不十分」というところです。大量生産の薄利多売ですから、1本ずつ丁寧に刃先は研がれていないのです。
もし、高級な原料から作られた刃物であったとしても、刃先の研ぎ加工・調整が不十分だったら、残念ながら切れ味は期待できない刃物になってしまいます。
逆に100円ショップの包丁であっても、研ぎ加工を十分に行なえば同じ100円ショップの包丁とは思えない程、切れ味が格段に良くなります。
実際には100円ショップの包丁の研ぎは、研ぎ料金を考えるとお受けすることはありませんが、どんな包丁・はさみでも「切れるようにするための研ぎ加工」を施せば、良い刃物へと生まれ変われるのです(但し、その切れ味の持続性は期待できません)
十文字屋は「技術」「技」で研ぎます
最近、研ぎ屋さんが5種類以上の砥石を使って包丁を研いでいる動画などがありますが、十文字屋では多くて3種類の砥石しか使いません。技術/技で研ぐので「使う必要がない」からです。
刃物は切れば着るだけ切れ味は落ちます。研げば切れ味は戻りますが、研げば研ぐだけ寿命は短くなります。多くの砥石で研ぐという事はそれだけ刃物の寿命を縮めている事にもなります。
十文字屋では皆様の大切な刃物を長く使っていただきたいという想いを持って刃物をお預かりしています。
「研ぎ」と「磨き」は違うものです
十文字屋が考える「研ぎ」とは、刃物の切れ味を良くする為の加工です。
一方の「磨き」は見た目をキレイ(ピカピカ)にする加工です。見た目はきれいに、新品のようになりますが、刃物全体を磨いても切れ味とは関係が殆どありません。
それはなぜか。
切れ味が決まるポイントは
1:刃先3ミリまで
2:刃先5~10ミリ
2点の加工で大体決まります。
どちらかだけの加工では「引っかかり」が出来てしまい、切れ味のよさは得られません。
また、刃物全体がきれいであっても、刃先の加工がされていなければ切れ味には影響がありません。
「磨き」は高度な技術力は必要ありません。目の細かな砥石で磨けばピカピカには出来ます。
今は誰にでも操作できる「刃物研ぎ器」がありますので、時間と手間をかければご自分でも出来ることでしょう。
十文字屋は「研ぎ」の技術を提供することが一番の売りの研ぎ屋です。
「磨き」ではないので新品のようなピカピカの状態では戻ってきません。
新品と比べると「細かなキズ」のような「加工跡」も付いています。
ですが切れ味は新品同様、もしくはそれ以上になっているはずです。
切れ味を求めている方にご満足いただける技術をお望みであれば、そのご期待にお応えいたします。
※2018.12.1より「磨き加工」をオプションとして提供しております。見た目のきれいさもご希望の方はご利用ください。
研ぎ職人経歴
集団就職で上京し建築会社に入社。そこで様々な建築のノウハウを学ぶ。
その時に鉄や金属の知識、溶接技術、ネジ締め技術などを習得したことにより、現在の研ぎの仕事で鋏の鋲打ち直しや包丁の柄の交換など他の研ぎ屋とは違う技術を提供可能になったのです。包丁の柄の交換は正規品が杯盤になっていても代替品を探してきて使えるように加工・溶接して新しいものに交換してしまいます。
研ぎ自体も基本は知人の研ぎ屋さんに学びましたが、研ぐテクニックや鋏のかみ合わせ調整などは自分で経験を重ねて習得したものです。
当代限りの営業です
このような下地があるからこそ本物の職人の技術が提供できるのであり、これを継承できる人物はおりません。
職人が引退したら終わり。そのタイムリミットは確実に近づいています。
職人の長年の技術と勘と経験は簡単に受け継げるものではありません。
包丁を研ぐだけであれば3カ月も修行をすれば一応研げるようにはなりますが、現在十文字屋が提供している研ぎは他の誰にも真似の出来ないものです。
そのため、現在の職人が引退すれば営業は終了させていただくことになります。
職人の体調次第では急遽営業を終了するかもしれません。
誠に申し訳ございませんが、お客様にご満足いただける切れ味を提供するためには、中途半端な研ぎを認めるわけにはいかないのです。
『砥石や道具の差』では埋めることのできない『研ぎの技術』。
こだわりを持って提供させていただいている『十文字屋のはさみ研ぎ・包丁研ぎ』を是非一度お確かめください。